鉱物の一種であるアスベストは非常に軽量で扱いやすく、加工も容易なことから様々な分野で多用されていました。建築においても同様で、断熱材や防炎材として使われていたのも事実です。汎用性の高さから夢の素材とも呼ばれていたアスベストですが、一方で深刻な健康被害をもたらすことが判明し、2006年に製造や使用、所有の一切が禁止されました。アスベストそのものは無毒ですが、極めて細かい埃を飛散させる性質があります。

埃は鋭いトゲのような形状で、吸い込むと肺の細胞が傷ついてしまい、肺癌などの病気を患います。2006年より前に作られた建築物にはアスベストが使われているのが普通であり、リフォームや解体を行うと危険な埃が飛散するおそれがあることから事前の検査は必須と言えるでしょう。建材として使われているアスベストは外観では見分けがつかないので、専門知識に基づいた検査が不可欠です。建物のどの部分にどれだけの量が使われているかを確認するのが検査の目的なので、正しい結果を導き出せる所に任せるのが賢明でしょう。

検査費用は建物の構造で異なるのが普通であり、基本的に規模が大きく部屋数が多いほど費用も高額になります。一般的な作りの二階建て住宅を例にすると費用は約15万円から30万円が平均的な相場です。この金額はあくまでも検査に限った平均値であり、建材の撤去や処理などの付随作業を含めると出費も嵩むので、予算を考慮したうえで依頼することを心がけます。