高度成長期は、非常に多くのビルや商業施設、マンションが相次いで建設されました。こうした建造物は、日本が先進国の仲間入りをした象徴でもあり、豊かさの証でもあったのです。当時は追い付け追い越せと言わんばかりに、なんの迷いや不安もなく建設を行いました。より性能が良く使い勝手の良い建材を用いることで、建築のスピードも速く、安価に施設やビル、一軒家を建築することが出来たのです。

当時石綿も、こうした高度成長期の建設を下支えした建材であると言えるでしょう。軽くて電気絶縁性があり、耐アルカリで鯛断熱や耐火性も見られ、非常に使い勝手の良い建材でした。ところが10年から50年の時を経て、当時アスベストを使って建築に従事した職人が相次いで中皮腫や肺がんを発症するようになったのです。これはまさにアスベストの健康被害であり、現代では製造することも用いることも認められていません。

高度成長期に建設したビルやマンションの老朽化が甚だしく建て替えが必要になってきています。そこで再びアスベストが注目され検査が急務になって居る訳です。検査は現在大気汚染防止法や労働環境安全衛生法などで義務化されています。検査は非常に簡単で検体を採取し、検査業者に郵送するだけで精密なＸ線や顕微鏡検査が受けられるように成って居るのです。

また最近はアスベスト濃度調査も人気が有ります。解体しあらたな建築物を建てた後、周辺のアスベスト濃度はどれくらいかを測定します。