建物のアスベスト検査とはどのようなものでしょうか

建築物のアスベストの検査と言われても、何のことだかわからないと言う人も多いでしょう。実は今から50年ほど前には、アスベスト(石綿)が、断熱材として建築物に多く使われていました。しかし人体に有害な物質、とりわけ繊維を吸い込んだことによって体内に蓄積され、肺がんやじん肺などを起こすようになったため、1975年に使用が禁止されました。しかし使用が禁止されても、建物そのものは残ります。

特にその建物を解体し、新しく建て直すような場合は、普通に解体するとアスベストを周囲にまき散らすことになってしまいます。このため事前に検査を行って、アスベストが使用されているか否かを見極め、もし使われている場合は、それに応じた解体作業をすることになるのです。検査の手順としては、図面と目視によってまず確認を行い、それだけでわからない場合はサンプルを取って分析します。これらの検査や解体はすべて、専門業者によって行われます。

そのため工事を請け負う会社には、専門の資格を持った人がいるのが原則です。サンプルで含有率が0.1パーセント以上あると、繊維を散らさないために注意を払いながら解体工事をします。もちろん工事中も、アスベストの濃度はチェックされます。もし解体してほしい家がある時は、いくつかの会社に相談して検査を行うといいでしょう。

また民間の建築物、たとえば一般の住宅の場合は国から補助金が出ますし、自治体によっても補助をしてくれる所があります。